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映画「建築と時間と妹島和世」感想

映画「建築と時間と妹島和世」鑑賞。

上映時間約1時間ということでかなりスピード感のあるドキュメンタリーだったんだな、というようなことを見終えたあとに思った。

音楽と映像がかなりゆるやかに流れていて、上映中はあまりそういうことを感じなかったのである。

 

アス比がけっこうころころ変わっていたな。

スクエアから始まったし。

iPhoneで撮った映像が流れたかと思いきや、めちゃくちゃ鮮明なフルスクリーンの映像も流れれたりする。そのときは大体建築とか、風景とかを収めたいんだろうかとか、そんなことを詮索してしまった

 

妹島さんはかなり簡単な言葉で喋る。

それは建築においても現れる。

映画を見る人が建築関係とは限らないからかとも思ったけど、作品のコメントとか読んでてもそんな印象を受けることが多々あった

でも彼女の言う「つながる」はガチでつながってるし「風景の一部」はほんとうに一部になっていそうな感じがする、というか有無を言わさない

 

妹島さんは建築を風景のための装置として考えている側面があるのかなとインタビューを見ていて思った

 

大阪芸大は河内郡のかなり山の上にあることもあって、風景のことを考えざるは得ない。しかしその風景を見せる額縁として今回の屋根(一部床)をぐにゃぐにゃ曲げて、なんとも絶妙な変更を重ねていたんじゃないか、とか。なんかそんな感じのことを

 

しかしまあ今回は映画ということで建築にフォーカスはそこまで当たっておらず、最後の方とか「うお、なんかいきなり完成したな」と思ったんだけど、最後のラスト10分の、建築がその場でどう過ごしているかについての映像は、もう一度みたいなとおもった。特に雨のシーン

 

妹島和世の建築は知る限りではかなり薄いし軽いし、マジでどうやって建ってるんと毎回思っていたけど、今回は現場が早回しで流れており、少しだけその一部を知ることが出来た。簡単に建っているように見えたけど、そのあいだのことも、色々考えた。欲を言えばもう少し間近で見てみたかったな

 

なんとなくクスッときたシーンは、事務所でのインタビュー中にむちゃくちゃ物音がして、妹島さんが「ちょっとなるべく静かにしててね!」と大声で所員さんに伝えるシーン。妹島さんに大声のイメージがなさすぎて、

お母さんみたいやったな、なんか

 

しかし映画で見える妹島さんの感情のうごきといえばそこくらいである、その後はインタビューに「そうだよね」と言いながら答え、現場に出向いたときも「ここは?ああ、そうなのか。じゃあここはこうだね、こうなっているんだね」と、ひたすら淡々と受け答えしている。

おおらかに受け入れる

 

 

まあでも正直1人で見てたら「おーい!嘘つけー!」って言ってるかもなー